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最新情報
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広報 平成18年 3月春季号 主な内容
■時の視点 広報部長 清水弘允

■静岡県紙業協会家庭紙部会との三団体懇談会を開催

■東京都リサイクル事業協会 設立総会を開催 理事長 皆川 昇

■東京協組 合同新年会を開催 広報部副部長 脇 克美

■東京返本加工協同組合 『設立40周年記念祝賀会』開催
 東京返本加工協同組合 専務理事 稲生 正俊

■支部便り 城南支部
 山形の温泉で支部新年会開催 (有)後藤商店 後藤 秀樹

■私の履歴書(その4)
 ・・・古希にして想うこと 人それぞれ、人の世の面白さ・・・
 東京都製紙原料協同組合 専務理事 高山 才亮

■組合員の広場
 最近の歌舞伎隆盛について 副理事長 坂田秀一郎
 初冬のベランダ 足立支部 西内 澄江
 貴方は「生きる為に、食べるのですか」それとも… 広報部長 清水弘允

■お知らせ「古紙価格」「3月会議・催事」他

■会議概要「平成17年12月・18年1月」

■編集後記「古紙高騰」報道の在り方を問う 広報部副部長 宮川 茂
■時の視点
広報部長 清水弘允

 年が変わり2ヶ月も経過すると、昨年の古紙に関する統計数字がいろいろと発表されます。注目の古紙輸出実績は371万トンに達し、前年比で87万トン、30.9%の増加になりました。ほんの5年前の輸出実績37万トンに比べ10倍以上の実績になった事を考えると驚くべき数字で、古紙業界に構造的変化が起きている事を感じさせます。
 統計数字を見る時にはいくつかのチェックポイントが有ります。紙・板紙製品については生産量の動向と、その中で使われている古紙消費量・古紙利用率の動向、古紙については回収量・回収率の動向が押さえるべきチェックポイントでしょう。
 紙・板紙製品の生産量は、僅かな増減はあっても過去5年間3100万トン前後で推移しており、ほとんど変化がありません。製紙業界はマーケットとしては成熟産業であるといえます。それでも古紙利用率が上がれば古紙業界から見た製紙業界は必ずしも成熟市場ではありません。5年前の古紙利用率は56.1%で昨年は60.3%ですから年率1%、数量で平均30万トン程、国内の古紙マーケットは拡大してきたと言う事が出来ます。
 一方、古紙回収量はどうかと言いますと、5年前は1833万トンであったのが昨年は2231.5万トン、回収率では57.7%から71.1%へと大幅に増加しました。
 このアンバランスを解消しているのが輸出である事は、皆さんご案内のとおりです。
 昨年1年間の古紙回収量の増加実績は80.8万トンですから、回収増のほとんどは輸出に回ったと言えるでしょう。ただ輸出実績371万トンのうち310万トンが中国向けで、全体に占める割合は実に84%近くになっています。リスクマネージメントの面からも、目先の利益だけにとらわれない輸出先の多様化が、業界にとって課題になっています。
 製紙業界が既に成熟産業である事を指摘しましたが、古紙業界も今後、いつまでも回収率が伸び続ける訳がありません。早く自らを成熟産業と位置付け、自らのマーケットをどう捉え、囲い込むべきマーケットをどこまでとしたらよいか、柔軟な発想で考えるべき時が来ているのではないでしょうか。
 組合で開催したプライバシーマークの勉強会に、20社以上からの申し込みがありました。また業界紙には組合員が全く別な資源リサイクル市場に進出したニュースが載っています。
 おりしも東京都リサイクル事業協会が発足しました。我が組合がリサイクル・マーケットの中で発言権を維持する為には、どの様に東京都リサイクル事業協会と関るのがベストなのか慎重に検討したいものです。
 古紙業界を取巻く環境はどんどん変化しています。変化する環境にどう対応すべきか、情報交換、意見交換の場として組合は最適の場所ではないでしょうか。支部会、理事会その他、様々な組合活動を通じ、組合員の直接、間接プラスになる事を皆さんと話し合っていきたいものです。
 ちょうど次年度に向け、各部会が事業計画を立案する時期となりました。各部会から積極的な事業計画が多数提出され、予算が足りなくて困るような事態になるのが、活発な組合活動の証として、一番よいのではないでしょうか。
■静岡県紙業協会家庭紙部会との三団体懇談会を開催
日時:平成18年2月24日(金)午後2時30分より
会場:富士市工業技術センター内会議室
出席者:35名(事務局3名含) 家庭紙部会メーカー18社20名、東京都製紙原料協同組合8社9名、
静岡県製紙原料商業組合5社6名

1.三団体代表者挨拶
●井出純一部会長〔静岡県紙業協会家庭紙部会〕
 古紙は大変良い環境にあり、今後も伸びていくと思っている。我々はその古紙を使って再生紙を作っているので、皆さんとは共に歩んでいかねばならない。このような会を開催してお互いの意見を出し合い、今後も良い関係を作って行きたいと思っているので宜しくお願いしたい。
 静岡では今まで社長たちで構成する社長会を7回ほど開いたが、今後も毎週月曜に開催して何でも話し合いが出来る会にしていきたいと取り組んでいる。また、社長会とは別に毎週月曜に営業会も開催しており、家庭紙メーカーは結束しているので今後は良くなっていくと確信している。
 今、我々再生紙メーカーでは赤字で経営しても意味が無い、利益を出して再生産できるようにしなければ社長になっている意味が無いという事から、社長会の中でそのような会社にしよう、環境を作ろうと真剣に取り組んでいる。
 大手物と中小物の昨年12月のトイレット出荷量を見た場合、中小物が48,672トン(比率70.4%)(対前年比99.4%)、大手物20,263トン(比率29.6%)(対前年比108.7%)となっていて、大手物が安い価格であったにもかかわらず108.7%で、中小の古紙物はほぼ前年並みの99.4%の出荷量となっている。昨年1年間の出荷量は、トイレットペーパーが1,003,600トン(対前年比102.5%)、ティッシュペーパーが525,200トン(対前年比109.7%)(中小物23.5%、大手物76.5%)、タオルが147,300トン(対前年比106.3%)(中小物21.7%、大手物78.3%)であった。
 今はトイレットペーパーの量が全体的に見て足りなく、昨年12月には大手物が欠品した。
 そのような状況なのでトイレットペーパーの値段を修正し、再生紙メーカーは大丈夫であることを皆様に早くお知らせしたいと頑張っている。

●皆川昇理事長〔東京都製紙原料協同組合〕
 今回は本年度3回目の会合であるが、このように東京と富士地区の三団体の会合を開催していただき御礼申し上げる。
 我々組合の全国組織である全原連では取引条件の改善に取り組んでおり、富士の皆様には以前からお願いしている事ではあるが引き続きお願いしたい。関東地区のメーカーさんからも少しずつではあるが改善していただいている。
 本日は我々組合の担当から古紙についてお話をさせていただくが、貴重な時間の中で行う訳であり、要点を絞ってお話させていただくので宜しくお願いしたい。

●鈴木清久理事長〔静岡県製紙原料商業組合〕
 全体的な景気は好調のようであるが、地元ではこの平成18年の初めから家庭紙メーカーさんの倒産があり、がっかりしている。
 先ほど井出部会長さんより製品価格について不退転の決意で取り組んでいるとの話があり、私共も側面から何か応援できることはないかと思っている。
 昨年11月に原料の古紙価格を値戻ししていただいたが、まだまだ低価格にある。皆さんの取り組みを側面から応援していくので古紙の方も宜しくお願いしたい。

〔古紙の市況について〕
古紙全般について〔近藤勝東京協組副理事長〕
 2005年の統計では紙・板紙の消費量が31,381,008トン、古紙の回収量が22,315,407トン(回収率71.1%)であった。また、紙の原料に占める古紙の比率が60.3%、パルプが39.5%、その他0.2%となっている。
 古紙の輸出は3,710,482トンで国内回収量の17%が海外に出荷された。古紙回収量の22,315,000トンから国内の古紙パルプを含めた古紙消費量18,748,000トンを引くと3,577,000トンとなる。
 3,577,000トンと古紙輸出量3,710,000トンとの差133,000トンがマイナスとなるが、その分国内古紙在庫量が減少したことになる(メーカー側在庫9万トン、問屋側在庫4.3万トン減少)。このような傾向は現在も続いており、我々問屋サイドの流通在庫は更に減少している状況である。
 品種別では段ボール44%、新聞18%、雑誌23%で、主要三品で85%を占めている。また、輸出先としては全体の84%が中国向けとなっており、2位以下韓国、台湾、タイ、ベトナムと続いているが珍しいと思ったのが北朝鮮にも雑誌がわずかだが19トン輸出されている。
 輸出港は全国46カ所の港から出ているが、中でも東京・横浜・川崎の3港で全体の54%が出荷されている。他では大阪・神戸が16%で名古屋・博多・門司・沖縄・新潟の順となっている。
 価格についてはこの1月末から国内価格が新聞1円、段ボールが50銭修正されたが、為替の円安傾向もあり現在でも1円以上の価格差、特に板紙の雑誌については3円近く開いている。また、今年に入って雑誌の輸出価格が段ボールの輸出価格より高くなっていて、今までに無い現象が出てきている。
 今年に入り日本製紙連合会が古紙利用率を2010年までに60%から62%へ上げると発表があった。既に洋紙メーカーさんの数社がDIP設備の増設計画を発表しているので、今後更に古紙の需給は逼迫してくると思われる。

産業古紙の市況について(宍戸隆東京協組直納部副部長)
 家庭紙原料の発生は季節要因もあり2月は非常に少なくなっている。メーカーさんがご使用になっている銘柄によって、潤沢に入っているところと不足しているところがあると思われる。しかし、3月は例年では発生期となるので我々も期待している。
 現在の価格と需給状況について簡単な説明をさせていただくが、現在の家庭紙向け価格を見ると上ケントは大手メーカーの洋紙に使われている原料より安いため品質によってはそちらに流れる傾向にある。色上も輸出用雑誌より安いため輸出に向けられ、色上という銘柄が段々少なくなっている。
 それと大手メーカーではDIP設備の改造・増設がおこなわれており、その原料確保のため家庭紙原料とか一品色上の引合いが非常に強くなってきている。 ノーカーボンなどの入ったOA古紙は今までは大手洋紙メーカーさんはあまり使用していなかったが、西のメーカーで今年秋から何でも使えるように設備を増設しており、今から原料の引合いが関東地区にも来ている。 そのうえ我々も皆さんと同様燃料が上がって集荷コストが上昇しており、また、輸出専用業者との競合により仕入コストが上がってきている。
 この後で皆さんから製品市況についてお話を伺うと思うが、我々も今年に入って東京都内のスーパーなどでトイレットペーパーがいくらで売られているか調べてみた。再生紙物は12ロールで198円が主流で、お1人様1個の限定品で178円という価格もあったが昨年の最安値は見られなかった。
 先ほど近藤副理事長から話があったように、輸出価格との価格差が大きいことから1月に裾物の値上げが有ったが、3月にもう一段の値上げをお願いして輸出に流れるのを防ぎたいと取り組んでいる。
 物価の高い日本で世界一安い家庭紙製品と言われているが、一日も早く利益の出る再生産可能な価格まで上げていただき、我々の家庭紙原料も輸出に流れないようお願いしたいと思っている。

オフイス古紙の市況について(名古路勝彦東京協組委員)
 先ほど話があった雑誌の輸出価格は店頭で11円50銭、港近くであれば12円となっている。
 オフイス古紙だがオフイスミックスは相変わらず中国の大手板紙白板メーカーに向けられ、一部はベトナムにも流れている。価格は若干円安傾向だが非常に購買意欲が強く上昇気味で店頭11円から12円、もう一段上のランクの込頁クラスは白板の表下に使われている。オフイスミックスはベトナムでは家庭紙に、込頁はフィリピンや韓国、台湾で使用されているが輸出価格は強含みで推移している。

機密書類について(小林健二東京協組委員)
 古紙の発生状況は産業系もオフイス系も良くないが、家庭紙メーカーさんの話しからは在庫状況にタイト感を持っているところが少なく感じられる。
 我々が期待している機密書類が今注目されているが、この機密書類を問屋サイドで持ち込む場合と産廃業者からメーカーさんに直接納入する場合が出てきている中で、機密書類ということで機密を漏らさず完全に処理する事が求められている事から、産廃業者の中には破砕機を導入して新たに参入してきている。
 また、ある大手板紙メーカーさんが機密書類に対する品質を公表しているが、産業古紙の機密書類に対する処理方法から見て今までは家庭紙メーカーさんの原料となっていたが、白板メーカーさんの一部に使用する動きが出てきている。もう一点は逆有償で進んでいた機密書類の処理が価格的に処理が難しくなり、家庭紙さんに向けずに雑誌として輸出に向けている状況が見られる。
 そのような事から、我々問屋としては家庭紙メーカーさんにご迷惑をかけないようにするため、直面する色々な問題をクリアしていかねばならないと思っているが、大手さんが安い原料に注目しているなかで、先ほど話があった家庭紙原料を使う話も聞いており、今後どのような形になっていくのかと注目している。

製品市況について(久保田隆三家庭紙部会トイレット部副部長)
 再生紙物トイレットペーパーの小売価格は現在198円が主流であるが、それを298円まで上げるという事で12月の日経新聞に掲載された。そこまで持っていけるかどうかははっきりしないが、何とか達成したいと取り組んでいる。もし、駄目であっても、我々の資材等も上がっていくので、積み残した分は引き続き取組んでいこうという機運が出ている。
 原料については製品の需給バランスをとるため操短をしながら調整しているので、さほど困っていないかも知れない。発生も悪いのでメーカーには無理に押し込まないだろうし、操短しているので発生が悪い割にはそんなに困っていなかったと思う。しかし、今後も輸出が増えていくという事なので我々も気を引き締めて行かねばならないと思っている。
 大手さんは我々のシエアを取るため398円の価格を298円という大赤字の価格で販売してきているが、そんな中で我々は本当に値上げが出来るのか、決意はしたが4回目も難しいのではないかという気持ちがあった。
 しかし、大手も中小も80%程度の操業で製品の玉が少ない状況にあり、昨年12月には大手物が欠品した状況となった。出来ればもっと在庫が少ない方が値上げはし易かったと思うが、そこまでは出来ずそこそこの在庫となっている。また、我々メーカーもこんな赤字経営はやってられないと居直った気持ちをやっと持ち始め、大手がどんな価格であろうと我々には関係ないという気持ちになってきている。
 それでは更に大手がシエアを高めると心配されると思うが、最近になって大手さんも考えており、我々古紙物が成功すればその後に上げるようであり、このような事は初めてである。  今、我々が心配している事はシエアの低下で、4月以降一時は半分くらいに落ちるのではないかと考えて対策を練っている。
 そんな事から4月以降しばらくの間原料の使用が減り、大手が値上げしてやっと正常化すると考えている。
 もう一点は製品の輸入で、製品価格が上がる事で大手チエーン店は中国製品を中心に再度輸入を検討すると思われる。中国はトイレットペーパーの輸出に対し13%の奨励金を10年間だしていたが、平成18年9月より廃止される事になったので今回の値上げに寄与してくれると思っている。しかし、これからは海外製品に対抗できるしっかりとした製品作りに取り組んでいかねばならないと思っている。

質疑応答 〔M メーカー G 業者〕
M質問: 国内のDIP設備増強の話があったが、使用銘柄と使用量が判ればお願いしたい、もう一点は来月3月の輸出価格と古紙センターの3月融通価格を教えて欲しい。
G答:
まだ実際に動いておらず、また、家庭紙ケントだけを使うわけではない。その中に他の残本系のもの、一品色上と一緒に使用するようである。残本や一品色上の入荷量によってその使用量は変わるが、私の聞いている範囲では関東方面から月5000トンほどの家庭紙ケントを引っ張りたい話であった。スペックについてはまだハッキリしていないようである。
G答: 聞いている範囲では、大手3社で4基、日量1200トンで月3万トンであった。
G答: 融通価格については月曜日に緊急役員会を開いて検討する。業者側から2月に新聞1円、段ボール50銭を3月からお願いしたが決まらなかったので月曜に再度検討することになっている。
M質問: 中国向け輸出は今後も増えていくのかどうか、将来の見通しについてお願いしたい。回収量の17%が輸出されていてその大半が中国に向けられているが、17%が5%になるという心配はないのか。
G答:
我々は絶えず心配している。業界では3カ月止められたら溢れてしまう。現在は順調に流れているが、以前日本全国で50万トン溢れた事があった。今は業者数も増えたのでストックヤードも増えたが、それでも月60万トン〜70万トンが業者サイドの限界である。そういう意味では月に30万トンも輸出されるとなると、2カ月が限界で、3カ月止められたらアウトになってしまう。今年は400万トン輸出していかねばバランスが取れないだろうと言われている。
M質問: 輸出価格は今後どうなっていくと思われるか
G答:
私個人ではなかなか判らない事が多い。昨年ベトナムに行ってきたが、こちらでも大増設をやっていて月5000トンを手当てすると言っていた。そんなことから暫くは続くと思われるが、古紙も国際相場になってしまい、最大の供給国であるアメリカの市況に左右される。1000万トン以上輸出しているアメリカの状況が判らないので今は何ともいえないのが正直なところである。
G質問: 前回の会合で、製品を原反で輸出することを検討していくとの話があったが、その後はどうなのか。
M答:
輸出は必要なので考えている。現在信栄さんが行っているが形のある紙で持っていくのは大変なようである。しかし、輸出先があれば取り組んでいくつもりである。
次回開催は平成18年6月23日(金)午後2時30分より開催。
■東京都リサイクル事業協会 設立総会を開催
理事長 皆川 昇

 当組合も広域団体として加盟しております東京都リサイクル事業協会は、社団法人化に向けて、去る二月二日午後七時三十分より新宿NSビル101会議室において設立総会が開催され、組合代表として出席致しました。
 当日は遅い時間の開催にもかかわらず、各広域団体の代表者は勿論、地域組合の代表者と、公益法人格となる為の業界人以外の有識者として協会に参加協力を頂いた、NPO法人北区リサイクラー活動機構理事長・竹腰里子様、拡大生産者責任とデポジット制度の実現をめざす全国ネットワーク代表・羽賀育子様、製紙原料アドバイザー・高柳晴夫様等の御出席も頂いて以下の議案について審議され、全議案共承認されるところとなりました。
第一号議案 設立に関する件
第二号議案 定款に関する件
第三号議案 寄附財産に関する件
第四号議案 事業計画及び収支予算の件
第五号議案 諸規則に関する件
第六号議案 役員に関する件
第七号議案 設立代表者選任の件
第八号議案 事務手続きに係わる附帯決議に関する件 (以上八議案)
 組合役員会時にも短時間での報告しか出来ないのが実情で有りますし、組合員に報告の手段としては組合広報が一番ですので、ここに長文となりますが設立趣意書を掲載します。
(別紙掲載)
 又、同総会において決定をされた各担当役員名簿は下記の通りとなりました。

 現時点での予定では、3月の初旬に東京都の認証を受けられ次第に正式発足となり諸々の案件に取り組んで行く事となります。当組合としても積極的に参画し、ともすれば隠れた存在になりかねない古紙専業者としてのリサイクル貢献を社会一般に認知して頂くと共に、各組合員の業の展開に際して、些かなりとも助力となるような提言が出来るよう、取り組んで行きたいと考えております。
 本稿が皆様の目に止まる頃には、前述のごとく正式発足となっているものと思いますが、遅くなり申し訳なくも、広報紙に報告をさせて頂きます。組合に対するご意見・ご要望等、支部会を通じてなり本部事務局宛に直接でもかまいません、是非共お願いを申し上げます。
(平成18年2月7日記)
役員名簿
〔任期平成18年3月1日〜19年3月31日〕
会 長  畑 俊一  (株)山室 取締役社長
副会長  今井一夫  (株)六甲 代表取締役社長
 〃   信太政光  信太商店 代表取締役
 〃   紺野武郎  (株)三栄サービス代表取締役
会計理事 新井英一  (株)デルエフ代表取締役社長
 〃   佐々木義春 多摩リサイクル協同組
合 代表理事
理 事  江尻京子  NPO法人東京・多摩リサイクル市民連邦事務局長
 〃   高柳晴夫  製紙原料アドバイザー
 〃   竹腰里子  NPO法人北区リサイクラー活動機構理事長
 〃   富所富男  多摩市議会議員
 〃   羽賀育子  拡大生産者責任とデポジット制度の実現をめざす
          全国ネットワーク代表
 〃   中村正子  環境ジャーナリスト
          目白大学・関東学院大学非常勤講師
監 事  菅沢和志  豊島硝子(株)専務取締役
 〃   鰐淵順一郎 (有)鰐淵商事代表取締役社長
■東京協組 合同新年会を開催
広報部副部長 脇 克美

 去る1月21日(土)、日暮里駅前『ホテル ラングウッド』において当組合の合同新年会が開催されました。
 今回で三年連続の開催となりますが、普段は組合員が一同に会することがあまりない当組合において、大変有意義な会であると思います。
 当日はあいにくの雪模様でしたが、110余名の参加者を得て、午後6時より宮崎勝保山手支部長の司会により開会され、皆川昇当組合理事長、畑俊一全原連理事長のご挨拶の後、栗原正雄関東商組理事長により乾杯のご発声が行われ、歓談が始まりました。
 お三方のご挨拶とも、今年は古紙業界にも明るい展望が開けるであろうという、我々に力を与えていただける、まさしく新年に相応しいご挨拶でした。
 宴も盛り上がってきたところで、松井隆宏江墨支部長にご紹介いただいたフラメンコが余興として披露されました。 初めて目のあたりにするフラメンコに最初は戸惑いましたが、情熱的で、しかし時には哀愁を漂わせるダンスと生演奏に、場内はしだいに「オーレ」 「オーレ」の連呼となり、満場の拍手となりました。
 続いて工藤充彦青年部幹事長の司会で、各支部代表によるカラオケ大会が行われ、それぞれ自慢のノドを披露していただき、宴もたけなわとなってきましたが、楽しい時間というのは早く過ぎてしまうようで、松井江墨支部長による中締め、閉会の辞で幕を閉じました。
 新年会の開催にあたり、ご尽力いただきました事業部長、各支部長、お手伝いいただいた方々には大変ご苦労様でした。
 お陰さまで楽しいひとときを過ごさせていただき、あらためて御礼申し上げます。
 気の早い話ですが、来年も一月二十日に同じ会場で開催することが理事会で決まっています。今年より、より多くの方の参加をお待ちしております。
■東京返本加工協同組合 『設立40周年記念祝賀会』開催
東京返本加工協同組合 専務理事 稲生 正俊

 平成18年2月6日、東京ドームホテルにおいて東京返本加工協同組合(略称TOM理事長・藤井康夫、組合員20社)の設立40周年記念祝賀会が出版販売会社、製紙メーカー等関係者120名で盛大に開催されました。
 冒頭挨拶に立った藤井理事長は設立時よりご指導を頂いている日本出版販売様並びに今日までご支援を賜っている関係者各位に対しての感謝の言葉があり、今後も役職員一体となって更なる飛躍を誓うとの決意が示されました。
 来賓を代表しての挨拶は日本出版販売樺゚田尚正社長、東京都製紙原料?皆川昇理事長よりあり、鶴田社長からは近年の蓮田センター開設以降の貢献は特に顕著であるとの祝意が述べられました。皆川理事長からは親を超えた活動をしておられるとの最大限の賛辞が贈られました。
 鏡開きはゲストより日本出版販売叶實長を中心に5名の方で、乾杯のご発声は日本出版販売且ト田副社長からの組合に対する大きなエールにより行われました。 本年1月5日、日本出版販売叶V年仕事始め式において特別協力感謝状が贈られており、その披露も会場で行われました。 又、2月1日実施された東京都中小企業団体中央会50周年記念式典において長年の組合運営において多大の功績があったとして、庄司吉秋、藤井康夫、山中明徳の3氏が東京都知事感謝状を受賞しており壇上で中央会・中嶋事務局長より授与セレモニーがおこなわれました。
 長寿お祝いとして歴代理事長の宮内権四郎、坂田亮作、工藤敏雄、冨澤一郎の各氏に対し藤井理事長より記念品の贈呈も行われました。
 会は福引抽選会、小松みどりショーと楽しさと笑いの中、山中副理事長の謝辞により午後8時時過ぎ盛会裏の終了となりました。
 参会者に配られたパンフレットには40年の足跡が記述されており、その歴史の重みとこれからの活躍が更に期待されるものとなっておりました。
■支部便り
〔城南支部〕山形の温泉で支部新年会開催
(有)後藤商店 後藤 秀樹

 平成18年の城南支部新年会は2月4日(土)・5日(日)の一泊2日で昨年に続き雪国へ行ってきました。場所は山形県温海温泉です。今回は10社10名が参加されましたが、東京駅から上越新幹線に乗って新潟駅まで行き、更に白新線・羽越本線に乗り換えて鶴岡駅まで行きました。
 途中、上越新幹線から富士山が見え、富士山を見ながら皆さん早くもお酒に酔いしれていました。
 鶴岡駅から観光バスに乗り、到道博物館、出羽の雪酒造を見学しましたが、到道博物館には昔の庄内地方の人々が使った生活道具や農業の道具、漁師道具などが展示してあり、当時の人々の生活を窺い知ることが出来ました。
 また、出羽の雪酒造では地酒を何種類か試飲させてもらい、気に入ったお酒をお土産として買っておられました。
 そのあと宿泊先の萬国屋に向かい、冷えた身体を自慢のお湯で温めながらくつろぎました。外は一面の雪景色という事で最高の雪見風呂を体験する事ができ、すっかり旅の疲れも癒されました。
 お待ちかねの宴会では、都会では普段食べられない美味しい料理とお酒に酔いしれながら、皆さん楽しく過ごされておられました。
 翌日は温海温泉駅から羽越本線で新潟駅に向かいましたが、雪のため温海温泉駅で1時間20分近くも電車の中で待たされてしまいました。やっと新潟に着き、駅前の篠田旅館で昼食をとりましたが、鰤(ぶり)のシャブシャブとわっぱ飯が出て、初めて食べる脂がのった鰤がとても美味しかったです。新潟でもお土産を買い求め、いっぱいのお土産を持って新幹線で帰路につきました。
 とても楽しい旅行でしたが、写真を撮っていただいた梶野社長、幹事の坂田副理事長と共益商会の駒井さん、ご苦労様でした。
■私の履歴書(その4)
・・・古希にして想うこと 人それぞれ、人の世の面白さ・・・
東京都製紙原料協同組合 専務理事 高山 才亮

 裸でとびだしたのまではよかったが、世の中そんなに甘くない、親子3人で駒込の4畳半のおんぼろアパート暮らし。流石にシンどく、終戦直後の『食えず食えず』の暮らしぶりがふっと頭をよぎる。とりあえず食べるために中古貨物ダイハツの2トン車、年式が古く、最低価格で買入れ平ボデーに改造、簡単に荷物を積めるようにし、仕切場から段ボール古紙を購入し近隣メーカーへ運搬するいわゆる古紙代納を始めた。
 昭和42年、板橋の小茂根2丁目に月300円/坪で50坪貸してくれる、地主さんを紹介された。地主さんは戦後の進駐軍農地開放政策で地主になった人、その地主さんを紹介された。近所で評判の因業爺さん、誰もが怖がり敬遠して近づかない人だ、昔から町内に一人はいたタイプ。その爺さんが貸してくれた土地の裏側が南向きの野菜畑で2反(600坪)くらいあっただろう、天気がいいと畑仕事の真似事をしていたが殆どが菊作り、品評会で特選に何度も入選していて悦にいっていた自称菊作り名人。
 50坪の空き地に「プレハブくらいなら建てても良いが、登記は勿論、人が住んでも駄目だ、居住権が発生すると面倒・・・」そこを懇願してトタン張りバラック小屋を建てさせて貰った。現金じゃなけりゃやらないという蔵前工高の頃の友人を拝み倒し10ケ月の割賦にして仕上げる。6畳2間だけ作らせて貰い、6畳一間を畳敷きの和室、片方の6畳をビニタイル張りの台所兼食堂いま風に言えばダイニングキッチン。
天井を高くしてあるので屋根裏部屋が4畳半2間作れた、殆んど完成したのが42年6月、一緒に飛び出してきた弟と今じゃ番頭格のUと3人で、弟と番頭は屋根裏部屋の4畳半、一部屋づつ住み、中古の古紙梱包機を手に入れた。餅つきの杵のようなもので押し込み横からプレスする羊羹型。プレスする古紙など幾らも無い、合間を見ては建場、仕切場から仕入れた段ボール古紙、亀の子と俗称する段ボールを結束する際真ん中に水槽で浸して置いた水濡れ段ボールをアンコにしたものまで買って代納の日々。水で濡らした段ボールをアンコにした、亀の子みたいな段ボールを担ぐたびに背中に伝わる水に悲哀を感じた。でもそれが人か、サブタイトルの人それぞれの面白さ。
 草加市の摂津板紙や亀有の日本製紙、戸田橋手前の日清製紙など近隣メーカーへ代納する帰路、凸版板橋の近隣に点在する製本屋、折屋、断裁屋の前を通りかかると飛び込んで話を聞く、大体八手袋(やつで)が転がしてあるので紙加工所だとすぐ見当はつく。特に戸田橋の日清製紙からの帰りには凸版板橋をセンターにして板橋・練馬・北区に紙製品加工所が多かった。
 初めての製本工場との取引は大手旅行会社の系列印刷会社の製本部門。江戸川橋にあり国鉄の全国時刻表を製本、ダイヤ改正時には100万部近い部数が有った。そこの工場長が昭和37年頃通っていた東洋大学の同期生、古紙購入単価を高値にして取引開始。
 全国時刻表の製本が始まると戦闘開始みたいなもので、一日の製本ノルマの部数が仕上がらないと深夜12時過ぎまで平断裁機脇で裁落の袋詰め作業はざらにあった。人づてを頼りに築地の中綴工場、京橋の製本工場、この2軒をセットにして隔日の早朝出勤しての古紙引取り2トン〜3トン積んで朝食を食べ工場に帰る。袋詰めをした裁落紙プレス梱包。当初の4年程度は東日暮里のエスQ商店に販売していたが、切付類に強い大塚折戸通りにあるエヌ商事に販売。
 現場も営業もだから朝4時起きで深夜帰宅、といっても職住一緒だから着替えて出かけ、帰りは真夜中なんて生活は年中、集荷から始めたので製本業、断裁業等紙加工業者の社長・工場長・営業担当者との交際(つきあい)でかなり遊んだ、
 麻雀が終わってから飲みに行く、キャバレー・クラブ・スナック・居酒屋。そのうち麻雀好きのメンバーの大半が「これからの営業にはゴルフが不可欠・・・」で麻雀下火、ゴルフとの初対面は麻雀仲間の3人とも車が無く「小川カントリーまで連れて行け・・・」と運転手で引っ張り出されたのが出会い。乗っていた車が日産ブルーバード3エス。お金も無いし無縁だと思っていたゴルフだからゴルフ場を目の当りにするのは初めて、しかしハイシーズン芝のグリーンが逆に強烈に印象付けられた。
 キャバレー・麻雀荘のダークなイメージと逆印象。古紙を毎日扱っている日々から、まだ幼かった子供はかみさんに預けっ放しでのめりこみ、仕事の無い日曜日には飛んで出かけた。
 昭和39年生、昭和48年生の息(むすこ)2人。昭和42年生、昭和45年生の女(むすめ)2人。4人の子供に恵まれた家族、演歌に出てくるような、愚痴一つ言わない女房。昭和43年4月個人商店高山紙業を法人化高山紙業株式会社を設立する。取引先の坪先段々拡がる、中には仕入れ値が大幅に高いからと当時の協組(当時は未加盟)幹部から苦情の電話も入るがわれ関せずで拡張、自分を入れ5人で300トン強の産業古紙を扱う。
 好事魔多し、良いことはそんなに長続きしない。昭和45年万博終了後古紙大暴落、問屋雑誌類買い止め、夢の島へ雑誌類が捨てられていた。だが、板橋から夢の島まで捨てに行くのが大変、早出をしても午前中一杯、何かあると帰りは午後3時ごろ、やっていられないので近所の倉庫を借りることにした。面積72坪に木造40坪の倉庫、賃料月20万円。
 紹介してくれたのが近所の測量士、松葉寿司という寿司屋のカウンターで飲みながら、小学校のピーテーエー役員人事が決まったという時代に知り合った前述の付近の地主通の測量士K氏。
 「買うと坪幾ら・・・」「22・3万円くらいだろう・・・」「売る気あるのかな・・・」「相続もあるから売る気充分・・・」
  でも買うとなったら坪25万円になった。それでも月20万円払う気ならば74ヶ月で買えることになる。
 42年板橋に来たときから絶対土地を持たないと銀行取引が出来ないと、食べ物まで切り詰めて定期積金、いわゆる月掛けをしていた月10万円。積み金総額が480万円有った、掛けていた永代信用組合支店長に会う、
 「目一杯貸せても1500万円担保力不足・・・」
 残念トボトボと帰るが、帰路途中に板橋支店が出来たばかりの東武信用金庫があった。寄ると支店長が居て話を聞いてくれた。
「確かに300万円ほど、担保力不足。買う気有るのか・・・」「買いたい、絶対に買いたい・・・」「それで永代信組にある積み金は紐付き(借入担保)じゃ無いのか・・・」「明日にでも移せるよ・・・」
支店長「よし、本部へ行って掛け合ってくる・・・」
 翌日電話で呼び出される。「これで手金を打って来い・・・」渡されたのが銀行振出しのいわゆる預手で300万円。すぐ手金を渡し買ったのが今の自宅。
 その頃の交通手段は陸の孤島、江古田駅まで急ぎ足で15分、カミさんが子供を背負い、下の子をバギーに乗せ一人を歩かせると40分掛かったそうだ。まさか有楽町線の駅が100メートルの所に出来るなんて知りもしない。
 木造40坪の倉庫奥へ4畳半・6畳・8畳くらいのダイニングキッチン(台所)・3畳くらいの事務室、45年暮れも押し迫った12月初旬完成。蔵前工高時代の友達を頼っても、100万円近く掛かった。
 46年から余丁の中で売れない更系の雑誌類を詰め込む。上質系は当然高値で引取ってもらえる、直納問屋なんてそんなものだと諦観していた、48年まで詰め込んだ。
 第一次オイルショック古紙暴騰、捨てるつもりだった雑誌類がトン5万円で売れた、約1千万円の売上、時効だから書くが無申告、今までの苦労が報われた気がした。
 長男・秀崇成績優秀区立小学校トップ、すぐ隣が区立中学、当然中学・高校までは公立と考えていたが、隣の区立中は当時札付きの悪中学、板橋区の成績がブービー。私立へ行かせろと頼むので4校も受験、当時の御三家、武蔵中、開成の2校、立教と滑り止めに明大中野中。
 受かったのが立教と明中、当然立教へ行きたがる。学費も大変だが、もっと苦労したのが妹2人弟1人まで全部中学から私立中へ行きたがり公平にと行かせたので学資稼ぎが大変だった。
 拡大するには営業が不可欠、仕事もしたが、営業の付合いも体力があったと今更思う、良く付き合って取引先を拡大した。
 雑誌トン5万円なんて価格はアッと言う間に終わり、次には古紙価格の大暴落、大塚の直納問屋エヌ商事の代納で販売していた売りやすい裁落類、中でも切付類を主原料にしていた、富士の特殊更紙メーカーはマンガ週刊誌ブームでフル生産、出版御三家と言われた一ツ橋の出版社発行のマンガ週刊誌は発行部数700万部近く発行しようかというマンモス誌になった。その主原料切付類をメーカーに売込みに行き直納にしてもらった。
 近所にあったエス紙業板橋営業所所長と誕生年同じ、産業古紙のいろいろ、商いの仕方、ずいぶん勉強させてもらった営業所長はエス紙業の専務取締役になり業界関連でも、特に富士地区メーカーでは著名。
 すぐ脱線するが、販売代金の総てが手形だったので割引をしてもらうため銀行にお百度踏んで割引枠を拡大、一部の産業古紙から裾物類は商社経由で大型トラックで出荷するので、現本社当時は6メーター×6.5メーターの角地にあるから環七通りから大型車の右左折自由、当時では高いと言われたが坪45万円で、全額4千5百万円で購入した。
 当時はフォークリフトが高値で買えずクレーンで積み込み積み下ろしを考案、狭い工場内が非常に効率良く使えた、ただ北側が石神井川なので冬場は北風で裁落類が風に吹き飛ばされるので近隣に迷惑をかけた。
 産業古紙がこんなに低価格になり、裾物3品(新聞・雑誌・段ボールの総称)が今の価格で輸出されるなんて夢のまた夢。
 長男秀崇 エム・ビー・エー(経営修士)の資格取得とのことでアメリカペンシルベニア大学へ留学したいというので行かせる、結局果たせず2年で帰国、外資系企業に勤めたいとドットウエル社営業に勤務、営業なんて名ばかりおんぼろライトバンでミニスーパーへの納品係、1年で退社、高山紙業へ入社してやると言い出したのが平成2年の正月。
 東京協組に無理矢理加盟させられたのが昭和50年、1期だけと当時の城北支部長廣神氏や乗附氏から頼まれ理事になったのが平成3年、まあ長男も入社したし弟も、番頭もいるから1期だけど引き受けたのが運の尽きいつの間にか平成18年15年も協組の理事をしたが、勉強もさせてもらい、勉強もした。
 またまた脱線したが、長男秀崇の入社が平成2年、3年後には戸田市に外環営業所設立。産業古紙類価格がこうなるのも予測できたし、長男秀崇では産業古紙業の拡大は無理、オフイス古紙に取り組ませた、取組みは成功したしパソコンも堪能なのでオフイス古紙では先駆者的存在になったが、反面、費用対効果を考えない設備投資で資金繰りが大変。
 平成の古紙暗黒時代を乗り切ったのは良いが今後の課題も大きい。
平成18年2月23日
■組合員の広場
「最近の歌舞伎隆盛について」
副理事長 坂田秀一郎

 平成17年12月より、京都南座の顔見世から、三代目成駒屋(なるこまや)中村鴈治郎(がんじろう)改め、四代目山城屋坂田藤十郎の名前が松竹永山武臣会長に依り、231年目の襲名復活を見た。
 江戸歌舞伎と上方歌舞伎の両輪が日本文化の象徴として世界に発信し、歌舞伎の素晴らしさをアッピールしている。
 皆様ご存知の通り、人間国宝坂田籐十郎は参議院議員扇千景先生の旦那様である。昭和6年生まれの75歳、芸風は上方歌舞伎特有の和事芸(わごとげい)、女形(おやま)の芸等を得意としている。
上方歌舞伎の先鋒として歌舞伎界を背負って立つ、又、坂田籐十郎の子息、扇雀(せんじゃく)も関西のホープで相当の人気がある。
 さて、平成18年新春2日より、銀座・歌舞伎座に襲名披露を兼ね坂田籐十郎として、昼夜の舞台に出演している。歌舞伎は昨年暮れ、ユネスコの世界無形文化遺産の宣伝を受け、世界的にもその芸術性が認められている。
 余談であるが、歌舞伎座では去年7月大劇作家W・シェイクスピアの名作、ロマンテック・コメデイー「十二夜」を演劇化の有名人蜷川幸雄プロデューサーの演出で、歌舞伎風に直して公演したところ、これが大当たり、連日満員の盛況を見た。
 歌舞伎では現在まで鏡を使用した芝居は類例が無く、今回の蜷川歌舞伎は鏡をふんだんに舞台一面に贅沢に、三幕共用いたので、私もその芝居を見て大変驚いた次第である。松竹側では鏡が高価故イギリスあたりで再公演しないと元が取れないと云う裏話も聞いている。
 さて、松竹にとっては現在のところ、歌舞伎座の収入は無くては成らぬものとなっている。これは紛れも無い現実である。しかしながら、一回の興業観客動員数が1500人〜1600人で満員だから、東京ドームのジャイアンツ戦のように何万人とは入場出来ず、経営面で大変なご苦労があるようだ。
 松竹の岡崎哲也演劇プロデユーサーの話では、一ヶ月興業26日で、経費が相当かかり、その中の6日分位が分岐点とかで、なかなか大変とのお話でした。
 鏡を沢山使った蜷川歌舞伎、是非共外国で大当たりをとり、沢山儲けて欲しい。
 いずれに致しましても231年目の山城屋「坂田籐十郎」の襲名披露公演は2月の福岡、博多座、7月大阪松竹座、10月名古屋御園座と平成18年一年間続いて成功するよう祈るばかりである。
「初冬のベランダ」
足立支部 西内澄江

 十二月初冬、息子は鹿児島に出張した。用事を済ませ、課長に帰宅の御挨拶を済ませると、もしお時間がとれましたら「維新ふるさと館」に足をのばしてください、天皇制を中心に変革し、近代国家をつくり上げたプロセスがよくわかりますので、足跡をさぐりながら見てくださいと薦められた。
 時間はきついが、早めに駅前から左方向に高見橋を渡り「維新ふるさと館」を訪ねた。映像やハイテク技術を使って明治の夜明けを創出し、等身大の西郷隆盛、大久保利通 等が出て来て迫力ある明治維新前夜が想像出来るようになっていた。
 館内の加治屋町をあるく。西郷隆盛、弟の従道、大久保利通、大山巌、村田新八、東郷平八郎、山本権兵衛等この町から始まる維新のドラマ、熱い時代を想像し体感した。
 再度加治屋町を歩いて見ようと足をはこんだら、足がすくんだ。
 聞き覚えのある音曲が耳に入った、
 「一かけ二かけ三かけて」の手合わせの唄だった。
 嘘だ、嘘ではない、あの唄がまだあるのだ、
 残っている、あの手合わせの唄が。
 息子は、母から聞かされ覚えていたので、思わず口づさんだよと出張の帰りに寄り、手合わせの一件を話し始めた、
 七十年前の私と友の笑顔がスクリーンに現れて消えた。
 口ずさみ出した私に息子も合わせて唄った。
 「一かけ、二かけ、三かけて、四かけ五かけて橋をかけ(セッセッセ)」
 熱いお番茶を喉に飲みほした。
 ベランダの初冬の日ざしは綿の様なほんわかさを一箇所二箇所残して、ゆっくりと立ち去って行った。
 ポンポン船の汽笛がかすかに聞こえた。
「貴方は「生きる為に、食べるのですか」それとも…」
広報部長 清水弘允

 貴方は「生きる為に、食べるのですか」それとも「食べる為に、生きるのですか」。
 この問いは、目的と手段を間違えていないかと言う、寓話的問いとして使われる事があります。しかし答えはそんなに簡単ではありません。
 普段、我々が目的と思っている事は、見方をちょっと変えただけで、すぐに手段になってしまう例が沢山あるからです。
 誰でも、お金があれば良いなと思います。その為に、努力をします。しかしお金は使ってナンボですから、お金その物は手段と言うべきでしょう。通帳の定期預金が貯まる事に無上の喜びを感じる人以外は、お金その物が目的とは思わないでしょう。多くの人にとっては、お金は何かを買う手段であって目的ではありません。
 しかし何かを買った場合でも、それ自体が必ずしも目的とは限りません。買った物が衣類なら着る事が目的で、食べ物なら食べる事が目的です。しかし、それも更に考えを進めれば、必ずしも目的とは言えません。
 食事は自分が生きていく上で栄養を取る手段ですし、衣類は寒さから身を守る手段か自分を着飾る為のものです。目的が手段となり、その手段が新たな目的を獲得します。
 目的と手段が繰り返され収斂して、行き着く先は何処なのでしょうか。
 いま述べた例は、自分の意思と判断で行動している範疇の事柄です。それでは、次の例はどうでしょうか。
 ある人に好きな人が出来、どうしても結婚したいと思い結婚しました。人生の1つのゴールと言う意味からは目的達成かもしれません。しかし安定した生活がスタートすれば、結婚はいつまでも目的に留まってはいません。そのうち子供が出来、家族が増えていけば、結婚はいつしか手段となり、生活の基盤となる家庭は守るべき目的となっていきます。
 結婚してもしなくても、快楽を得る目的でセックスをして子供が出来たとしましょう。目的と思っていたセックスは実は結果として、子供を得る手段だった事になります。この例になると、我々はどこまで目的を意識して、行動しているか分からなくなります。
 人生は、ある意味で判断の連続ですが、自分で判断し、ある方向に向かっているようでも、実は見えざる手により動かされているようにも見えます。自分の判断を超えた働きかけが、我々を操っているのかも知れません。我々が持っている、食欲、性欲、事業欲、名誉欲、知識欲などは、見えざる手が差し向けた動機付けかも知れません。
 西欧には我々の人生の目的について伝統的な考え方があります。我々の人生の目的とは、個人の判断を超えた、民族ないし人類と言う「種」の保存・繁栄であると言う考え方です。我々個々人は、自分の意思で判断して行動していますが、実は種の保存・繁栄という目的に向かって進んでいると言うのです。
 ダーウィンは150年前に「種の起源」と言う書物のなかで進化論を述べていますが、それも西欧の伝統的な考え方に基づいた実証的な研究だったと言えましょう。そして30年前にドーキンズと言う学者が「利己的な遺伝子」と言う革命的な本を発表しました。
 それはどういう説かと言うと、我々を操っているものは、「種」ではなく「遺伝子・DNA」だと言うのです。我々、個々人は自分の判断で行動しているが、人類を全体で見ると、「遺伝子・DNA」が自分の勢力を最大にする方向に我々を操っていると言うのです。
 ドーキンズは自説を説明する為、沢山の事例を挙げていますが、少なくとも矛盾なく生物の行動を説明できます。論理性があり説得力があり、反論する事がなかなか出来ません。
 何れにしろ、目的と手段とは、簡単に分けられるものではありません。目的が手段となり、手段が目的となる。このように思考のパラダイム(枠組)を柔軟にしておく事は仕事に取組む上でもプラスになるのではないでしょうか。最後まで、頭の体操にお付き合い頂きまして、有難う御座いました。
■お知らせ
●古紙価格 東資協の古紙4品の標準売値 2月8日現在(kg)

 * 新聞     6円(上昇気味)
 * 雑誌   3〜4円(横這い)
 * 段ボール 4〜5円(横這い)
 * 色上(並)3〜5円(横這い)
●関東商組の融通(共販)事業 平成18年3月度実施の共販価格(kg当り)

〔新 聞 古 紙〕11円/kg プレスもの・店頭価格
〔段ボール古紙〕10円/kg プレスもの・店頭価格
●平成18年3月会議・催事

3月 3日(金)理事会 (pm4時) 組合会議室
3月14日(火)支部長会(pm4時)組合会議室
3月15日(水)古紙センター業務委員会(pm2時) センター会議室
3月15日(水)全原連役員会(pm3時)
3月23日(火)古紙センター静岡地区委員会(11時30分)
3月29日(水)古紙センター関東地区委員会(pm2時)
■会議概要 平成17年12月・18年1月
●12月 定例理事会

 平成17年12月5日(月)pm4時〜 於)組合会議室 出席理事24名

皆川理事長挨拶
 古紙センターの統計によると、今年の古紙回収量は、昨年に引き続き対前年比約80万トン増〔年間約2230万トン〕となる見込みだ。 輸出が好調だという何よりの証だろう〔05年度見込み360万トン〕。 11月に訪問したベトナムの製紙会社でも設備を増設中で、ダンボール古紙1 万トンの内、その半分を日本から輸入したいといっていたので今後の輸出増に期待したい。
 回収古紙の好調に反して、産業古紙の発生は相変わらず悪いので、皆さんのお知恵を拝借して、産業古紙の分野でも利益の挙げ得る業界に出来ればと願っている。

〔各部報告〕
〔総務部〕 当会館の地代に関する公判は、12月9日に行われる予定でいる。 裁判の内容については、次回の理事会で報告する。
〔直納部〕
 11月10日〜13日にベトナム製紙会社の視察研修旅行を実施した。 今回訪問した製紙会社2社では、既に日本のオフィスパックが大量に納入されており、販売先が増えつつあるという状況が垣間見られた。
 家庭紙の国内価格が修正されたことにより、共販輸出価格が国内価格より安くなった。 この件について11月14日に共販委員会を開催し、差額の半分に相当する額を組合から助成金として補填することになった。
 9月の古紙輸出量は、中国の影響で30万トンを割り込み、269,000トンという結果となった。 但し、10月は351,700トンを記録しているので、9月の割り込み分は回収したと言って良いだろう。 今年の輸出量は、これまでのところ昨年と比較して30%程多い状態で推移している。 新聞こそ輸出量が減っているが、ダンボールは50%増、雑誌は30%増となっている。 輸出価格は上昇基調にあったが、12月に入り若干下落した。しかし、それでも国内価格とは依然として価格差が開いている状況。

【市況報告】
[上白・特中白]
 上白は、10月の時点では弱含みだったが、現在は横這いで推移している。
 パルプの10月積みの対日輸出価格は一段と割高となった。 北米産NBKPの10月積み価格は530〜540ドル/トンで、2ヶ月連続で上昇した。 北米産の価格は今春から下落し、メーカーの採算ラインと言われる550ドルを下回る状況が続いている。 現地メーカーは10月積みの交渉で10〜20ドルの値上げを提示した。
 日本の製紙会社は年末商戦に向けた紙の増産期に入り、当初はさほど値上げに抵抗しないと見られていたが、円安ドル高の進行でコスト負担が増した製紙各社の抵抗が強まった。 そのため交渉が長引いたものの、上げ幅を10ドルに抑えることで決着した。 国際在庫は3ヶ月連続で減少。 11月積みでは値上げ要求はまだ出ていない。
[家庭紙原料]
 家庭紙の状況は、製品の値上げは思うに任せず原料は足りないというもので、各メーカーともに大変厳しい状態が続いている。このため、家庭紙原料の再度の値上げを申し入れても通るような状況ではないと思われる。製品在庫は前年同期より少なく、価格が下落している。
[切付]
 5月に家庭紙原料が値下がりした際に、その影響で特切も値下がりしたが、今回の家庭紙原料の値戻しに関連して、特切も価格修正せざるを得ないという状況になった。
 既に11月初旬から修正されているところもあるようだ。 各社とも縦線でメーカー側に確認していただきたい。マンガ裁落については変化なし。 年末の発生増に期待したい。
[新聞・雑誌]
 新聞は、国内の使用量は対前年比で若干減っているが、輸出が好調で需給バランスが取れているため、国内メーカーに大きな動きはない。
 雑誌は、発生が芳しくなく輸出が好調なため需給バランスが崩れてきていて、一部ではプレミア価格が出ているようだ。
[ダンボール]
 10月の国内消費実績は対前年比101.5%で微増。 価格は動きなし。関東及び静岡地区のメーカー在庫率は28%で、かなり低い水準で推移している。 11月の輸出量はかなりの伸びを示しているため、需給バランスがタイトになりつつあると思われる。 但し、来年以降の輸出動向によっては厳しいものになる可能性も否定できない。 中国検査局からの情報によると、鳥インフルエンザの影響で、鳥に関係する「タマゴパックモールド等」が混入している古紙に対しての品質が非常に厳しくチェックされるとのこと。 古紙を出荷される際には、これらの古紙が混入しないよう十分に注意していただきたい。
[返本雑誌]
 11月の残本の発生量は対前年比で微増となった。 切付関係の発生が悪い状況で残本が微増ということは、出版界が低迷しているということだろう。 書店に関する統計を見ると、店舗数は減っているが、床面積は増えている。 大型店が増えていることが分かる。価格は変わらず。
[オフィス古紙]
 12月に入り発生量が増えつつある。 先日訪問したベトナムの製紙会社では、オフィスパックに混入するシュレッダー類が全体の15%程度までなら受け入れるとのことだが、実際には、日本のオフィス古紙におけるシュレッダー類の混入率は20〜30%程度というのが実状。 このような古紙を受け入れてもらうにはどうすべきかが今後の課題だろう。
〔集荷部〕
 11月に家庭紙の価格が修正され安堵している。 しかし、依然として低価格であることに変わりはないので、今後は輸出を増やすなどして、もう一段の価格修正を望みたいところだ。 家庭紙の価格が修正されたことに伴い、アウトサイダーの動きが活発になってきた。年度末を控えて、学習参考書関係の扱い量が若干増えてきた。 これがいつまで続くか気になるところだ。
〔広報部〕
 広報新年号の準備を進めている。1月中旬の発送を予定している。 組合総合名簿は12月中旬に発送の予定。
〔事業部〕
 1月21日合同新年会が行われるが、担当役員の方にはよろしくご協力をお願いしたい。
 資格取得講習会に関して、現在までに、プライバシーマークの講習会を2回、産業廃棄物収集運搬業の講習会を1回開催している。
 プライバシーマークの申請については11社から申し込みがあり、現在進行中。 産業廃棄物収集運搬業は1社から申し込みがあり、こちらも進行中。その後も組合員から問い合わせがあるため、資格取得講習会を再度開催することにした。
〔青年部〕
 11月27日に組合主催ゴルフコンペが開催され、青年部もお手伝いさせていただいた。 日曜日の開催ということもあり好評で、来春にも開催して欲しいという声もあった。
●1月 定例理事会

 平成18年1月16日(月)pm4〜 於)組合会議室 出席理事24名

皆川理事長挨拶(要旨)
 新年明けましておめでとうございます。組合の理事並びに各委員の皆様には、昨年にも増して本年も引き続き組合の発展のためにご尽力賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
 又、1月21日に組合合同新年会を予定しているが、100名を超える参加者とのことで盛大なものになるだろう。担当役員の方々に感謝申し上げる。

〔各部報告〕
〔直納部〕
 昨年11月の古紙輸出量は321,383トンで、1月〜11月の累計で333万9千トンを記録した。これは前年対比で30%増という結果となった。12月の輸出も順調に推移しているので、年間で約370万トンを記録するものと思われる。
 新聞・雑誌に関して、国内価格と輸出価格の格差が相当開いてきているため、メーカー側に価格修正を要請しているが、なかなか折り合いが付かず、関東商組と古紙センターで行われている古紙融通事業も1月分は休止となった。

【品種別市況報告】
[上白・特中白]
 上白・特中白ともに発生は少ないが、使用するメーカーも少ないため余剰気味。 あるメーカーでは、昨年8月頃よりコスト削減のため上白の使用を大幅に減らしていて、従来600〜700トン/月だった使用量を、現在は200〜250トン/月程度にまで減らしている。 パルプは11月積みの対日輸出価格が3ヶ月ぶりに下落し、LBKPが520〜530ドルとなった。 12月積みも価格は変わらず横這い。 1月積みについては20〜30ドルの値上げを要請しているが、現状は横這いのままと思われる。 1月下旬には北米の中堅パルプメーカーが廃業することになっており、今後供給減が予想されるので需給が引き締まると思われる。
[家庭紙原料]
 産業古紙の発生は悪い。 富士地区のメーカーでは、使用している原料の種類によって、在庫不足のところもあれば、順調に入荷しているところもあり、ばらつきが見られる。トイレットペーパーの製品在庫は昨年より少ないので、あまり心配することはないだろうが、大手メーカーの影響で苦戦しているところが多いようだ。
 家庭紙原料の需給は逼迫していて、売手市場で推移している。
[切付]
 家庭紙同様、産業古紙の発生は悪い。年末年始の出版業界は「合併号」「特大号」等の臨時発行で活況を呈し、截落類の発生も増えた。最近はこういった傾向は見られなく、やはり出版不況の影響で、発行部数が減ってきているものと思われる。 価格は変わりなし。
[新聞・雑誌]
 新聞は、12月の発生は多く、メーカーの買いも旺盛だった。 但し、輸出価格が国内価格より割高であるため、相当量が輸出に回されているようだ。 雑誌も輸出が好調なため、国内需給が逼迫している。
[ダンボール]
 発生は順調。 価格は11月をピークとして12月は下落傾向に入った。 当初は12月から値上げする予定だったが、1月の状況を見極めてから対応することになった。
[返本雑誌]
 発生・価格ともに変わらず。
 昨年1年間の雑誌書籍の販売額は、前年対比で1.9%程減少している。出版界の低迷は今後も続くと思われる。
[オフィス古紙]
 12月は機密書類関連の発生が多かった。国内・輸出ともに販売は順調で、在庫はランニングストック程度。
〔集荷部〕
 相変わらず発生が少ない。 学習参考書を例に取ると、発行部数が減り続けていて、1点あたりの発行部数が千部単位にまで落ち込んでいるものもある。かつては考えられなかったことだ。
〔広報部〕
 広報新年号は今週中に発送の見込み。 組合総合名簿は昨年末に発送済み。ご活用いただきたい。
〔事業部〕
 1月21日の組合合同新年会は、皆様のご協力により、114名の方が出席されることになった。 役員の方には当日よろしくお願いしたい。
●古紙センター 関東地区委員会

 平成18年1月20日(金) pm4時〜 於)古紙センター会議室

【需給動向】
〔関東商組32社実績〕05/12月
 単位トン( )は対前年同月比 在庫の( )は在庫率
〔新 聞〕
仕入 86,746(103.2%)
出荷 86,290(104.2%)
在庫 10,428 (12.1%)
〔雑 誌〕
仕入 56,729(105.5%)
出荷 57,166(106.8%)
在庫  6,245 (10.9%)
〔段ボール〕 仕入 129,259(96.9%)
出荷 129,433(97.2%)
在庫  11,419 (8.8%)

〔関東・静岡実績〕
〔新 聞〕
入荷 237,471 (90.9%)
消費 230,068 (94.6%)
在庫 153,890 (66.9%)
〔雑 誌〕
入荷 134,111(103.1%)
消費 124,282(103.1%)
在庫  51,976 (41.8%)
〔段ボール〕
入荷 308,498 (98.8%)
消費 281,590(101.4%)
在庫  80,583 (25.7%)

〔関東商組32社実績〕17年累計〔平成17年1月〜12月〕
〔新 聞〕
仕入 980,344(102.1%)
出荷 981,354(101.8%)
〔雑 誌〕
仕入 705,692(110.4%)
出荷 707,274(110.8%)
〔段ボール〕
仕入 1,550,936(99.7%)
出荷 1、558,245(100.6%)

〔関東・静岡実績〕
〔新 聞〕
入荷 2,679,225(97.8%)
消費 2,686,860(97.6%)
〔雑 誌〕
入荷 1,535,139(102.4%)
消費 1,545,830(102.2%)
〔段ボール〕
入荷 3,521,986(98.1%)
消費 3,548,196(99.7%)

チラシの新聞から模造・色上への移行数量(センター関東・静岡) (単位トン)
  1〜12月計   152,892
 新聞古紙消費量 2,686,860 (97.6%)
+移行チラシ数量 2,839,752(103.1%)

〔業者側コメント〕

〔新聞・雑誌〕
 12月関東32社集計では仕入、出荷とも順調、在庫もさほど持たずに越年でき、メーカーさんに御礼申し上げる。 1月に入り雪の影響から仕入が減少しており、本格化出来ない状況にある。 輸出の方だが、10月迄は前年を下回っていたが、11月は前年を上回った。12月も上回ったと思われ、仕入競争が激化しているのでメーカーさんのご配慮をお願いしたい。
〔段ボール〕
 関東32社集計によると、12月の入荷は対前年比95.1%と思ったほど集まらず、1月〜12月累計でも99.7%と前年を下まわった。 業者在庫も8.8%と前年と比較しても1000トンほど少なくなっている。
 輸出は146万7千トンであるが、国内に箱で入った量が150万トンほどと思われるので、ほぼ同量が輸出に回ったことになる。シェアでは中国が81%、タイ8%、台湾7.9%、となっており、中国の動向が大きな割合を占めている。このところの円高で好調に輸出が続くと思われるし、また、雪の影響から思ったほど集荷が出来ない事も考えられ、先行きあまり楽観は出来ないのではないかと思っている。

〔メーカー側コメント〕
〔新聞・雑誌〕
 12月は雪の影響で中部、北陸の入荷が少なかったが、全体では在庫率が66.9%と若干プラスになっている。 1月に入り雪の影響から先行き楽観は出来ない状況にある。
〔段ボール〕
 12月20日までは入荷は良くなかったが、一部を除き年末ギリギリには計画通りとなった。 1月の入荷はそこそこ出来ると思っている。
 段原紙生産の12月は78万トン(対前年比100.9%)、国内出荷も101.5%と秋口以降順調であった。1月〜12月累計(見込み)が931万3千トン(100.3%)、国内出荷も100.6%と前年をうわまわった模様。
 段ボール(張合せ)の方も正式な数字ではないが8月以降は102%、12月が101.5%と順調な数字となっている。
●古紙センター 静岡地区委員会

 平成18年1月24日(火)pm4時30分〜 於)フジロイヤルプラザH

〔高橋委員長代行の挨拶から〕
 日本経済は非常に好調に推移している。景気判断でも、踊り場を脱出し順調に回復軌道をたどっていると最近の新聞は頻繁に報道している。
 しかし、我々の紙パを取巻く環境は非常に厳しいものがある。今週に入っての新聞報道では、日本の油の指標になるドバイの石油価格が60ドルを突破し、史上最高となっている。我々には1〜3・4〜6月も油の価格が非常に懸念されるところである。 今、来年度予算を組み始めているところであるが、プラス要因というものは全く見当たらず非常に厳しい状況になっている。製品価格で、PPC等一部は値上げのアナウンスがされているが、これもなかなか浸透しない状況にある。 そんな中で、今週に入りライブドアの件で賑やかだが古紙も同様に価格が賑やかになっている。いずれにしても、今年1年間、我々メーカーと皆様方とで一緒になって静岡地区委員会を盛り上げるようにやっていきたいので、宜しくお願い致します。

【市況動向】
〔第一部会〕上物古紙
 産業古紙の12・1月は非発生期ということもあり、入荷は低調である。2月も同様に推移すると思われる。毎年のことであるが、3月中旬以降の発生期まではタイトな状況が続くと思われる。
「上白」: 発生少ないが、一部メーカーでの使用減により、動きが鈍く余剰感がある。
「特中白」: メーカーの消費に変化が見られず、発生も少ないが消費もそれ以上に少なく、余剰感がある。
「板紙ケント」: 発生少なく、消費が旺盛でタイトな状況が続いている。 発生期の3月中旬以降までは同様の状況が続くと思われる。
「家庭紙ケント」: 発生少なく年明け入荷減を予想していたが、問屋の年末在庫もあり大手家庭紙メーカーの入荷は順調に推移しているようである。家庭紙メーカーで消費しているケントについてはバランスしていると云える。
「模造」: 家庭紙メーカー向けは発生少なくタイトな状況が続いているが、一部洋紙・板紙向けの模造に余裕がみられる。
「色上」: 家庭紙メーカー向けは発生が少なく、雑誌同様の価格であり、一部洋紙・板紙向け及び輸出に回っており、タイト感はある。洋紙・板紙向け色上も発生は少なくタイト感があると云える。

業者側から
「上白・特中白」: 今まで余剰感あったが、1月に入り発生が少なく、メーカー使用が増えてきたのでバランスしている。
「ケント」: 品質問題があり、大量使用メーカー向けは不足しているが、それ以外については在庫を持っている。しかし、発生が少ないので困るほどのことは無い。
「家庭紙」: 昨秋値戻しをしてもらった。産業古紙は発生が少なく、回収古紙の特にミックス古紙が、輸出が好調なため非常に不足している。家庭紙メーカーに納入するのに毎日綱渡り状態である。ただ、メーカーによりバラツキがあり余裕があるところもあれば、足りなくて操業に困っているところもあるようだ。
「切付」: 雑誌残本類と同じ価格帯なので、雑誌が少ないとメーカーで雑誌として使われてしまう。特に特更メーカーでは2月1日からマンガサイラクを1円値上げするという発表があった。需給は非常に逼迫している。

〔第二部会〕新聞・雑誌
「新聞」: 相変わらず厳しい環境が続いている。各社違いはあるが特に今年に入り入荷が非常に落ちている。 季節要因・天候不順ということもあり、集団回収の減少も大きく影響しているのかと思われる。
「雑誌」: 更に厳しい環境が続いている。メーカーにとっては雑誌への対応が難しくなっている。

業者側から
「新聞」: 32社の昨年の累計では、入荷が前年度比102.1%、出荷が101.8%ということで、入出荷がほぼ拮抗した状態である。
「雑誌」: 1年間の累計では、入荷が110.4%、出荷が110.8%と二桁の伸びになっていて、入出荷とも多かったといえる。
※ 12月末の在庫率は、3品で14.6%、一昨年が18.4%、その前年が17.8%。この3年の間でも昨年末の在庫が最も少なかったが、平成7年以来の低い在庫率である。
※ 関東商組では新聞と段ボールそれぞれ2000トンづつ共販をしている。その価格修正を12月からお願いしているが、メーカーさんからなかなか色よい返事がもらえず、1月は休ませてもらっている。2月に入っても同じような要請をしようと考えていたところへ、新聞の値上げ発表があった。しかし、引続き需給はタイトに推移するものと思われる。

〔第三部会〕段ボール
 12月の原紙生産が前年比100.9%、出荷が101.6%とまずまず順調であった。原紙在庫も年末で341.900トンと前月比マイナス17,300トンであった。 入荷は12月末日まで受け入れたところもあり、メーカー間でバラツキはあるがほぼ順調であったといえる。 1月に入りメーカー間のバラツキはあるが、最終的には計画通りの数字になると思われる。
業者側から
 発生は32社統計で前年比99.7%に終わった。12月の発生は例年より4%悪かった。世間では景気が良くなっているといわれるが、本当に消費景気が良くなっているのだろうかと思う。特に12月中旬以降の発生がよくなかった。
 全般的には段ボールは50万トン余剰である。これが海外へ出ているということで、これは変わりがないが、内外の価格差が最低でも1円以上、特に後半から開いてきているがこれがどうなるのか、為替次第でどうなるのか、全く判らない。
 今年は国内メーカーさんが、雑誌が非常に足りないということから段ボールへシフトされていくだろう。こうなると、国内消費と輸出との間で綱引きが起きるのではないか。為替動向でどうなるか判らないが、価格差はそれほど開かないのではないかと思っている。いずれにしても、お金を出せば買える状態にあり、大きな問題は起きないのではないか。
●古紙センター H17年度第7回業務委員会
 平成18年1月26日(木)pm1時30分〜 於)古紙センター会議室

1.委員交代 大王製紙(株) (旧)二宮生吉委員 → (新)神代滋委員
2.平成18年度事業計画(案)について(詳細は省略)詳細ご希望の方は事務局までお申し出ください。
3.平成18年度国庫補助金(内示)について(詳細 省略) 〃
4.古紙の需給・市況動向について
 全国古紙の需給・市況動向〔H18年1月度報告〕については紙面の都合により割愛させて頂きます。
■編集後記
「古紙高騰」報道の在り方を問う
広報部副部長 宮川 茂

 昨年より「古紙価格が高騰」という記事を目にすることが多くなってきました。
 業界紙のみならず、最近では一般紙においても「古紙価格が高騰」と報道されることが増えてきました。 その記事を読まれた方からは「古紙業界は良いね。 儲かって!」と言われることがありますが、しかし、古紙回収の現場で毎日汗水たらして業務に携わっている者にしてみれば、「儲かる」どころか「凌いでいる」という表現の方が現場の状況を良く表していると言ってよいでしょう。
 しかし、現実にはマスコミの影響力は大きく、「高騰」という言葉が独り歩きし始めて、あたかも古紙業界が潤っているかのような誤った認識が定着しつつあります。
 このことは、現場で地道に働いている古紙業者をより厳しい状況へ追い詰めることとなり、延いては古紙回収システムそのものに悪影響を及ぼすことが危惧されます。
 そこで今回は、関係者の皆様に古紙業界の実情を正しく認識していただきたく、ひと言申し上げることにした次第です。

 まず、マスコミの皆様に申し上げます。
 大手製紙会社が古紙価格を値上げした場合、その事実が「高騰」という活字となって報道されることがありますが、それ以前に「暴落」が続いていたという事実は確認されているでしょうか?
 例えば、古紙価格が2円値上がりしたとしても、それ以前に5円も暴落していた場合、それを「高騰」と呼べるのでしょうか?
 差し引き3円も赤字が続いているというのに「高騰」だと発表されてしまっては、現場で汗水たらして働いている者としては憤りを感じざるを得ません。 過去の大暴落時代のことも活字にして頂きたかったと残念でなりません。
 記者の方にとっては「高騰」というわずか2文字の活字に過ぎないかもしれません。 キーボードで「高騰」と叩くにしても2、3秒のことでしょう。 しかし、そのたった2文字のおかげで誤解を招き、より苦しい立場に追い詰められた古紙業者が大勢いるということを忘れないで頂きたいのです。
 「ペンは剣よりも強し」と申しますが、表現方法ひとつで人を生かすことも殺すことも出来ます。寒風吹きすさぶ中、文句ひとつ言わずに黙々と古紙回収に汗を流している者を苦しめることのないよう、くれぐれも公平な報道を心掛けて頂くようお願い申し上げます。
 話は少々横道にそれますが、「日本経済に景気回復の兆し」という報道を昨今よく目にします。これは、上場企業の業績回復から判断してそのような記事になったものと思われますが、一般国民の方々で景気が良くなったと実感している方は全国で一体何人いるでしょうか? おそらくほとんどいないのではないでしょうか。記事を書かれたご本人はいかがですか? ご自分の暮らし向きが良くなったと実感されていますか? 「増税」「年金」「リストラ」といった問題が山積している現実のどこが景気回復なのでしょうか?
 私が申し上げたいのは、大手企業の動向だけで判断されることなく、中小・零細企業の生の声もぜひ取り上げて頂いて、公平な報道をして頂きたいということです。
 私は当組合の広報を仰せつかっておりますが、今回の「高騰」報道に際しては、ただの一社からも取材を受けたことはありませんでした。大変遺憾に存じます。 「公平・中立」が報道の基本理念であることは改めて申し上げるまでもありませんが、今回の一連の報道は、この基本理念に沿ったものと言えるか疑問を感じざるを得ません。
 道に報いると書いて「報道」と読みます。毎日汗水たらして地道に働いている者が報われるような報道を望みます。

 続いて発生元の皆様に申し上げます。
 ただ今ご説明した通り、古紙高騰という報道内容と実際の古紙回収の実状とは大変掛け離れたものがあります。今回の「高騰」によって恩恵を被った古紙業者は皆無といってよいでしょう。むしろ、相変わらず厳しい経営を強いられて喘いでいる者がほとんどです。
 われわれ古紙業者は今回の値上げを「値上げ」と呼ばず「値戻し」と呼んでいます。それは、過去の大暴落時代以降、採算が取れない程の低価格帯に落ち込んでしまった古紙価格が僅かに、本当に僅かに上向いただけだからです。仮に採算ラインを超える程の上げ幅なら「値上げ」と呼んでも構いませんが、今回の上げ幅は残念ながら、暴落以前の水準に戻る程の上げ幅ではありませんでした。
「僅かに戻っただけ」というのが実状なのです。われわれ古紙業者が依然として厳しい経営を強いられているという事実をご理解下さい。
 発生元業界の皆様とわれわれ古紙業界とは業務上大変親密な間柄であり、長年に亘りお取引を続けさせて頂いております。
 貴業界の発展は、延いては当業界の発展に結びつくものと認識しておりますので、今後ともご協力させていただく気持ちに変わりはございません。古紙価格の高騰が本当のものであれば、それによる恩恵を貴業界に還元できるようあらゆる努力は惜しみません。 但し、誠に残念ながら、今回の「高騰」は「恩恵」と呼べるような水準のものではありませんでしたので、その点をご理解いただきたくお願い申し上げます。
 但し、今回の「高騰」が実際には僅かばかりの「値戻し」であったにせよ、お取引先の皆様に少しでも還元できればと願っておりますので、個々のお取引において、古紙業者がお伺いした際に精一杯の気持ちをお伝えしております。
「古紙価格が高騰している割には物足りない」とお感じになるかもしれませんが、これまでご説明しました通り、採算が取れない中での、長年のご愛顧に感謝しての精一杯の気持ちですので、その辺りの事情をお汲み取り頂いた上、よろしくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。
 又、最近は「古紙高騰」を引き合いにして、法外な好条件を提示して参入して来る者も見受けられます。
 古紙リサイクルには相場というものがあり、それによって秩序立ったリサイクルの輪が形成され、且つ、循環しております。
 相場とかけ離れた条件というものは、このリサイクル循環には到底当てはまらないものですので、何らかの歪みが生じてくると考えざるを得ないものです。 場合によっては、お取引先に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
 又、われわれ古紙業者のように長年に亘って培ったノウハウを持ち合わせていないと、品質面において思わぬトラブルを起こすことがあります。無用のトラブルは未然に防ぎたいものです。
 新規参入者に対するお取引の可否については個々の事案ですので、この場で申し上げるべきことではありませんが、くれぐれも目先の条件だけで判断されることなく、本質的な部分についても熟慮の上、適切なご判断をされますようお願い申し上げます。
 今回の「古紙高騰」報道について、関係各位が正しい認識を持たれ、事実を正確に把握された上で、良好な取引関係が継続することを願って止みません。


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